2)天皇制から日本共和国へ:日本は憲法上、すでに共和制国家であった。
現在の世界中の主なる共和政
民主共和制国家の体制は、執政府の長官と議会との関係によって、大統領制・反大統領制・議員内閣制の3つに区分される。大統領制は有権者が直接執行府の長官である大統領を選出し、議会が大統領を罷免することは特殊な場合を除きできない。これに対し議院内閣制では、執行府の長官たる首相は民主的に選出された議会から選出され、同様に議会が首相を罷免することも可能である。半大統領制の場合、大統領は有権者から直接選出され、首相は議会から選出される。半大統領制では議会が大統領を罷免することはできないが、大統領が首相を罷免することは可能な国家と不可能な国家の2種類が存在。
大統領は常に権限を持っているわけではなく、ドイツのように大統領の権限が儀礼的なものにとどまる国家も存在。また執政府の長官の名称が大統領であっても国民から直接選出されるとは限らず、南アフリカのように議会から選出される議院内閣制の大統領も存在。
民主主義は組織の支配者が多数である事を意味し、重要問題の最終決定権すなわち主権が人民(市民、国民)にあるという思想・体制・国を指す。
独裁との関係
一般には、支配者が多数(民主主義、合議制など)となった体制において、1人または少数が権力を独占して支配を確立する事が「独裁」と呼ばれる。このため民主制や共和制で発生した権力独占は「独裁」と呼ばれ、君主国で発生した権力独占は「専制」とされ「独裁」とは呼ばれない傾向がある。また独裁者の多くは、共和制や民主制の実現や防衛を主張している。
歴史的に著名な、共和国における独裁には以下がある。
・共和制ローマでガイウス・ユリウス・カエサルが終身の独裁官に就任し、後の帝政ローマの基礎となった。
・フランス革命でジャコバンが独裁的権力を確立し、恐怖政治を行った。更にナポレオン・ボナパルトが独裁的権力を確立し、フランス皇帝に即位した。
・ロシア革命(十月革命)でボリシェヴィキ(ロシア共産党)がプロレタリア独裁を掲げて独裁的権力を確立した。
・ドイツのヴァイマル共和政でアドルフ・ヒットラーが独裁的権力を確立した。
・共産党一党独裁を採用する中華人民共和国において、個人独裁の設立に成功した毛沢東と習近平について「皇帝のような専制」であるとする批判がある。
また、事実上の世襲君主制(ないしはそれに準ずる権威主義体制)でありながら、「共和国」を名乗る国も存在する(朝鮮民主主義共和国、シリアなど)。
イランはイスラム共和国であるものの、権力(大統領)の上に象徴的な権威(宗教指導者)を置く政体は立憲君主制と類似している。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/共和制)
現在の共和と民主の違いは何か?
共和:「国民とその選ばれた代表者が国の最高権力を持っていて、政治の最高権力者は君主ではなく、国民が選んだ大統領と自治権をもつ州議会にある。」 民主:「全国、または全州の選挙人たちは大統領や州長を選び、これらの代表者を通じて、政府の政策を選挙人たちが望む方向へと推進していること。」
現在の共和政における大統領制
大統領制とは、国家元首として大統領を有する政治制度である。 広義では大統領を元首としている統治体制全般を指すが、狭義においては政府の長でもある大統領を国民からの投票により、議会とは独立して選出する制度のことを指す。
1例:世界中に影響を与えた1789年のフランス革命からのフランスの共和制
めまぐるしく変わったフランス憲法
最も長く続いたのは1875年に作られた「第三共和制憲法」で、65年間続いたが、第二次世界大戦の時にドイツに占領されたため、終わりを告げた。 現在の「第五共和制憲法」は1958年に制定された。
フランス第五共和政

シャルル・ド・ゴール大統領
フランス第五共和政(フランス語ではサンキエーム・レピュブリックCinquième République)は、1958年にシャルル・ド・ゴール将軍がアルジェリア戦争を背景に第四共和政を事実上打倒し、新たにつくられた現在のフランスの共和政体。第四共和政に比べて立法権(国民議会)の権限が著しく低下し、大統領の執行権が強化され、行政・官僚機構が強力なのが特徴。
二頭制
フランス第五共和政では執行権は、国民から直接選挙される無答責とされる大統領と、対議会責任を負う首相とが分有しており二頭制と呼ばれている。下院は首相が率いる政府に対して不信任動議の表決を行うことで責任を追及し、不信任動議が採択されたときは首相は大統領に対して辞表を提出しなければならない。
大統領に付与された強権
大統領は以下のような権限を付与されている。
- 国民議会を解散する権限。議会で可決した法案に対する拒否権は持たないが、憲法裁判所へ申し立てをする権利を有する。
- 国民議会は国家反逆罪を除き、大統領への弾劾裁判権を持たない。ジャック・シラクも、大統領在職中および退任後1か月は、パリ市長時代の汚職疑惑による訴追から保護されていた。アメリカの議会は軽罪でも大統領を弾劾裁判にかけることができる。
- 議会を飛び越して法律案や条約批准案、憲法改正案を直接国民投票にかける権限。
- 非常事態権(第五共和政憲法第16条)を行使する権限。この権限が行使されている間、国民議会は常時開かれ、また憲法改正は制限される。
大統領は直接、有権者の投票により選出され、その任期は当初、7年と先進国の中でも極めて長いものであった。ただし、2002年の憲法改正により、大統領任期は5年に短縮されている。これは国民議会の任期とも同じであり、大統領選挙を国民議会選挙と同時期に行うことで、後述するコアビタシオン(cohabitation : 〖政治〗 保革共存:フランスでは特に,大統領と首相がそれぞれ対立政党に属する状態.)を生じにくくすることもその目的の一つに挙げられる。
首相の存在と二重構造
コアビタシオン
首相は国民議会(下院)の議決により選出される。首相の選出は国民議会における政党の勢力によって決まるので、大統領の出身政党と首相が所属する政党が異なる場合がある。特に左右の異なる指導者が大統領と首相に就くことを「コアビタシオン)と呼ぶ(コアビタシオンとは本来は「同棲」を意味するフランス語)。大統領は外交を、首相は内政を担当するとされているが、時として政策をめぐる対立も生じている。
大統領の所属する政党の支持率が高い場合は、大統領は国民議会を解散し、国民議会選挙で過半数を得られればコアビタシオンを解消することができる(ミッテランの就任直後に実例あり)。ただし、支持率が低迷しているときはコアビタシオンが長期化し、政権の弱体化を招くケースが多い。
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https://kaikaku33.blog.jp/archives/36376606.html
続く(はなこドットコム)